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新卒としての就職面接はそれ特有の必勝法があります。
アルバイト採用面接や転職時の社会人面接とは違うのです。
志と希望を持って挑みたい就活ですが、自分の面接力に自信が持てないと不安が先行してしまいます。そして不安に包まれたあなたの姿が面接の勝率を一層悪化させてしまうという悪循環をもたらします。
そこで合説どっとこむ読者支援企画としまして、3,000人の学生との面接経験を持つ合説どっとこむ編集長が「新卒のための面接入門」をお届けします。
講師プロフィール
合説どっとこむ編集長
IT企業、小売業、サービス業など上場企業から中小企業まで4社で約15年間、採用業務を中心に人事業務全般に従事。最大規模では一年間に600人の大卒を採用する大企業で20人以上の採用担当を率いるプロジェクトマネジャーを務めた。日本全国で3,000人以上の学生との面接経験がある。 2007年に合説どっとこむを開設、2008年に株式会社ちかなりを創業。同社のオーナー兼最高経営責任者として5期目を迎えた。
また東京経済大学体育会バドミントン部の総監督も務め、学生とは常に近い距離に身を置き続けている。
新卒のための面接入門 Lesson1
1.新卒採用は「資源性採用」
新卒採用は「この人なら当社での活躍が期待できるだろう」という「見込み」を買う採用です。
その際に重要なことはあなたの過去、つまり学生生活における実績ではなく、未来、つまり「当社への強い志望意志」と「素敵なキャリアプラン」なのです。
学生生活の実績と言えば「勉強やゼミを頑張った」「サークル頑張った」「バイト頑張った」のいずれかでしょう。
こういった学生生活の実績からはビジネスマンとしての資源性を読み取るための評価の差はなかなかつきません。
一方、学生さんが語る「当社への強い志望意志」と「キャリアプラン」はそのレベルに大きな差がつきます。
「志望意志」ではその会社で働きたい理由をしっかりと語る必要があります。
ここで投資家のような視点でその会社の事業評価を語る方がいます。しかし、学生さんの見識で投資理由のような話をしてもほとんどの場合説得力を持ちません。
次に「キャリアプラン」の問題です。
非常によく見られる悪い例は次のように漠然とした上昇志向を語ることです。
「入社して1年~3年はしっかりと仕事を覚え、5年先、10年先はできる限り上のポストにつき、30代になったら信頼される社員になりたい」
これはキャリアプランではありません。
「強い思い入れのある明確な志」がそこに存在すること。そしてその志に向けての戦略を有していることが重要です。
これは15年前も今も変わらないのですが、説得力のある志望動機と評価に値するキャリアプランを面接で語れる就活生は実は5%もいません。
したがってそこだけであなたは20人に1人の優秀な人という印象を面接官に与えることができます。
学校の知名度や偏差値、ブランド力を超えてあなたが面接に勝つチャンスがここにあるのです。
2.保有能力評価
採用される人を「一緒に働きたい人」と考えてみましょう。
その時に求められる保有能力を単純な表現で突き詰めていくと次の3つにたどり着きます。
①頼もしそうな人
②親しみやすそうな人
③ ①と②の両方を有する人
ここで大事なことは、あなた自身がどちらかと言えば①で評価される人なのか、②で評価される人なのか、について認識を正しく持つことが大事です。
この認識を誤っている人も多く見られます。
仮にあなたが①の「頼もしそうな人」として自分を売り込むならば
「正しい言葉遣い」「力強い語り口」「整った話の構成」などが必要です。これらが欠落していると「頼もしく見えない」からです。
一方、あなたが②の「親しみやすそうな人」として自分を売り込むならば、構成力の無さも言葉の間違いも「素敵な笑顔」で許されてしまうことがあります。
企業がその時どちらのタイプを求めているかはケースバイケースです。
採用人数の多い企業ではどちらのタイプにもチャンスがあります。
優秀な学生が集まる人気企業では③であることが必要となります。
3.話す力
(1)構成力の問題
話の構成については次の点が重要となります。
①結論から話す
②面接官の頭の中に箇条書きにさせる話し方をする。「2つあります。最初に・・・、次に・・・」といった話し方。
③具体的なエピソードを交える。
面接官は個人面接で1日15人前後、グループ面接ですと50人前後の学生の話を聞きます。
例えば一日に新曲を15曲、それぞれ1回だけ聴いたとしましょう。頭に残るのはせいぜいサビの部分だけでしょう。
(2)話す速度の問題
句点(、)、読点(。)ごとに間をあけて話すことが重要です。
ところが多くの学生さんはこれができません。
その理由は
①質問される、②回答が頭に浮かぶ、③忘れないうちに浮かんだ回答を喋りつくそうとする、ためです。
相槌すらうたせない話を30秒以上続けたら面接官に相当ストレスを与えている、と見るべきです。
早口で話しても構いませんが、その時も大事なことは句点、読点ごとに適度な間をあけることです。
その間ごとに面接官の顔をみて
・このタイミングは頷くだけなのか、
・このタイミングは相槌をうってくるのか、
・このタイミングで質問をはさんでくるのか
などを見極めながら話を続けていくことが大事です。
4.視線と声
面接では話の中身以上に「視線」と「声」が重要です。
「なぜ面接なのか」を深く考えてゆくと理解できる話です。
話の中身が重要なのであれば質疑応答をネットでやりとりしたり電話でやり取りしてもよいのです。
受験者にわざわざご足労いただき、ほぼ例外なく対面という形で行われるのが面接です。
それはあなたの「目」と「声」を生で見て聴きたいからなのです。
視線で大事なことはなによりも面接官の目をしっかりと見ることです。
面接官が複数の場合はひとりも漏らすことなく一度は視線を送ることです。
声で大事なことは単に大きいことではありません。その張りや抑揚、速度です。
5.新卒採用面接は相対評価である
「うまく話せた面接が落ちた・・・」
「うまくいかなかったと思った面接が受かった・・・」
いずれもよくある話です。
面接を振り返る時、あなたは自分を絶対評価し、一方、面接官は複数の学生を相対評価しているために起こることです。
あなたが優秀な人でもあなたの前にもっと優秀な受験者がいたら負けてしまいます。
その会社の面接での倍率を推測し、それが例えば3倍ならば3人に一人の輝きが自分にあるか、という視点が重要となります。
6.選挙演説と取り調べ
新卒就職での面接はビジネスマンとしての実績がないあなたに対し、可能性を評価してもらう訴えです。
「私にはこういうビジョンがあり、そして誰にも負けないやる気があります!だから私に仕事をさせてください」
その本質は選挙演説と一緒です。
面接におけるあなたの姿が政治家の選挙演説とした時に票を入れるに値するか否か。ここに答えがあるのです。
あなたの面接は次のどれに近いでしょうか。
○選挙演説をする政治家
△テレビのインタビューで照れくさそうに質問に答える一般人
×取り調べを受けている人
7.能力より信頼
労働契約法というものが存在する日本では、一度正社員として雇用をすると解雇は困難です。
したがって、その関係性は「結婚」に近いものがあります。
結婚相手を決める時、「いい男、あるいはいい女であること」より「信頼できる人であること」の方が重要であるはずです。
採用も同じです。能力評価以上にあなたの信頼性評価が重みを持つ場合が多いのです。
したがって、「かしこまったよそ行きの姿」や「自分を力以上に見せようとする」面接は信頼という評価項目を大きく毀損してしまいます。
信頼を勝ち取るためにはきちんと自己開示をすること、嘘をつかないこと、誇大表現を慎むことなどが重要です。
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