合説どっとこむ編集長コラム「就職力は面接力」

会社説明会とは?

兵頭 秀一2024年01月22日16時09分

以前、私が人事部の新卒採用責任者を務めていたとある上場企業での話だ。例年3000人ほどの学生を会社説明会で動員していた。そして幾度かの選考を経て100人の新卒を採用していた。

さて、次の年である。役員会でこんな意思決定が下された。「来年度の新卒採用人数は前年同様100人とする」。この直後から私は新卒採用の計画を組み立て、会社に予算申請をする。

とにかく前年よりさらに良い人材を多数採用したい。期末に「今年はこれまでになくいい人材を採用することができました」と上司と会社に報告してシーズンを終えたいのだ。一つは純粋に愛社精神である。そしてもう一つは同社の過去の採用担当より私は良い仕事をした、という状態でありたいビジネスマンとして当たり前のプライドである。

では、昨年よりいい人材を採用できたという事を会社に対しどうやって示すのか。方法は一つである。昨年は3000人の会社説明会参加者から100人を採ったが今年は(例えば)4000人の会社説明会参加者から100人を採った、という事である。選考倍率のUP.だ。定量的に表現できることはこれしかない。

なので、まずはそういう仮説の下、採用広報費の予算増額を目指す。会社説明会動員数を30%増やすから採用予算も30%増やして欲しいと稟議申請をするのだ。

幸い、予算案は通過した。そしてここからが本当の戦いである。会社説明会動員目標4000人を達成しなければ会社との約束は果たせない。就職サイトの管理画面で会社説明会予約者数の同行を毎晩寝る前にチェックするのだが、予約状況の数字が悪いと眠れない夜もあった。

という事で、採用担当にとってはあなたが会社説明会を予約してくれること、さらにはちゃんと参加してくれることが心の底からありがたいのだ。私が新卒採用責任者をしていた約10年間に会社説明会に参加してくれた数万人の学生の皆さんたちは今でも命の恩人くらいに思っている。

そんな背景もご理解いただき、ぜひ会社説明会には積極的に数多く参加してあげて欲しい。


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