箱根駅伝で三井住友カードのCMがやたら流れた理由
高田 晃一2019年01月15日09時00分
今月の初めに箱根駅伝が行われました。
東海大学、初優勝おめでとうございます。
仕事で関係している大学がいくつか、この箱根駅伝に出場しているため、往路と復路のテレビ中継を刮目して見てしまいました。
個人的な印象ですが、今回はCMがやたら多かったですね。
そのCMが今回の内容です。
箱根駅伝のテレビ中継のメインスポンサーはサッポロビールのため、CMキャラクターである田中将大氏が何度も出演したのは、わかります。
しかしなぜ、三井住友カードや三井生命、サンスターのCMもやたら流れたのでしょうか?
ここに就活生に対してのメッセージが隠れています。
理論的に解析していきます。
まず考えるのは、箱根駅伝のテレビ中継を見る人はどんな人か?ということです。
真っ先に思い浮かぶのは、出場する大学に関係する方です。
OBだったり、教職員だったり、学生だったり、です。
学生に目を向けると、その中には就活生(学部3年生、修士1年生)も含まれます。
これは広告代理店の方から教わったのですが、1年で最も多くの就活生が見る番組というのが実は、箱根駅伝のテレビ中継なのです。
多くの就活生が見る番組なのですから、企業はそこにめがけて自社をアピールしたいですね。
ということで、今年は三井住友カードや三井生命、サンスターなどのCMがやたら流れた、というわけです。
数多く流すことによって、CMを見ている就活生に対して「ウチを受験してね」というメッセージ(アピール)をしているのです。
実はテレビCMを通じて、就活生にメッセージを発していることが結構多く有ります。
わかりやすい例を示します。
ちょっと前、キリンビールのCMで山口智充氏と香椎由宇氏が起用されました。
2人の役柄はキリンビールの営業マンです。
とてもテンション高い演技をされていたのが印象的です。
ここがポイント。
このときのキリンビールは特に営業の人員を増やしたい、特にテンション高くガンガン推し進められるタイプの営業が欲しい、と考えていました。
その人物像に適うよう山口智充氏と香椎由宇氏がCMで演技をすることによって、キリンビールは「ウチはこんなタイプの営業が欲しい」とメッセージを発していたのです。
もう1例。
これもちょっと前のauのCM。
松本人志氏が起用されたCMです。
このCMは松本氏がアップで映り、「話せりゃ良いじゃん、携帯だし」と言っていましたね。
ここがポイントです。
この当時のauは、音声技術を磨いていたのです。あなたの話した声が正確に向こうに届く技術です。
話すことに特化した技術、つまりは音声に関する技術者を多く求めていたのです。
よって、このCMから「ウチは音声技術のエンジニアが特に欲しい」というメッセージを発信していた、ということです。
今、流れている企業のテレビCM。
これを解析してみますと、就活生であるあなたにメッセージを発信していることが多く有ります。
こういうことに念頭を置いて、テレビCMを意識的に見てみましょう。