女子大学に通う学生は根底からの意識改革が必要
高田 晃一2018年09月18日14時00分
9月1日付の朝日新聞デジタルより。
新卒の就職活動において学生優位の「売り手市場」といわれている中、女性就活生の意外な苦戦が報道されました。
記事によると、リクルートキャリアのニュースリリースより、8月1日時点の大学生の内定率は男子が89.8%で前年同月を7.7ポイント上回った。
しかし一方、女子は86.0%で同0.8ポイント減った。
女子は7月も前年を2.7ポイント下回った。
前々年から前年は、男女ともに数字を大きく増やしたため、2ヶ月連続の女子の減少は異例です。
この原因を考えましょう。
最初に考えたのは、メガバンクが3行ともに採用人数を大きく減らしたことです。
特に一般職が3行ともに7割減、合計して約1000名の減少といわれています。
メガバンクの一般職に人材を供給していた最大の供給源は女子大学生。
特に○○女子大学といった女子大学に通う女子大学生です。
就職活動に力を入れている某女子大学では、「人生を逆転させるにはメガバンクに入ることだ」と標榜して、「メガバンク対策講座」を行っています。
確かに内定実績は積み上がっていますが、2019年卒はどうだろうか、と不安になってしまいました。
この大学ほどまではいかなくとも、メガバンクの一般職を目指していた方々は、メガバンク3行の大幅な採用減というハシゴが外されてしまった、さらにはそれに付随して「ウチも一般職の採用人数を減らそう」と一般職の採用人数を減らした会社が続出したために、女子の内定率減という事態になったのだと私は考えます。
どの会社でも該当しますが、一般職の仕事は近日中にAIに取って代わられます。
人間よりもAIの方が正確に仕事をこなすことができるため、特にメガバンクの一般職は、ものすごい早さでAIが導入されています。
ここで女子大学に通う学生、特に一般職志望の女子学生やそれを支援する大学に根底からの意識改革が必要になります。
AIに使われるのではなく、AIを操る人間になるための教育。
AIではできない仕事ができるようになるための教育。
こういった教育やキャリア支援をしないとあなたの大学と学生は没落してしまいます。
ほとんどの女子大学は文学部と家政学部で主に構成されています。
そもそも、文学や家政学が全く関係の無い金融の仕事に就けることがおかしい、と私は考えます。
一般職以外にも楽しい仕事がたくさんあること、自分自身の可能性は意外にたくさんあること、そういった可能性に挑戦できる環境もたくさんあること、その可能性に挑戦できるようになるための基本的な教育を施す環境を提供すること、こういった根底からの意識改革を大学と学生の両方で行っていかないと、2021年卒以降の就職活動もなかなか難しいものになることは確実です。